筑波大学
田中文英研究室

JA

独居高齢者同士をつなぐ巡回エージェント

メンバー :川口 佑希子 (M2)、笠井 翼 (2018年度 修士卒)
キーワード:巡学ロボット、巡回エージェント、高齢者支援、対話、循環型学習

独居高齢者の社会的つながりを強化することを目的とした「巡学ロボット/巡回エージェント」を提案しています。巡学ロボットのフレームワークでは、1台の被教示型ロボットに対して、複数の高齢者が共同でロボットへの教示や育成を行っていきます。ロボットが高齢者のもとを「巡」り「学」んでいくという特徴的なインタラクション方法をもつことから、巡学ロボットと名づけられました。

巡学ロボットは、前後に出会ったユーザーとの対話内容や蓄積した知識に応じて、ロボットの振る舞いを時系列的に変化させることが可能です。ここでロボットが表出する行動は、自分が教示した内容だけでなく、ロボットを育てている自分以外のユーザーから教示された内容の影響も受けているため、ユーザーはロボットの表出行動の変化を通じて、他のユーザーの個性や趣味・嗜好を徐々に知ることができるようになります。さらに、こうしたロボットの表出行動の変化は、ロボットに対する飽きを予防することにも効果が期待されています。

加えて、最近では下図のようなチャットボット型の巡回対話エージェントをシニア層に適用し、長期的な実験設定の中で対話アルゴリズムの評価を行っています。本研究では、一般社団法人アイオーシニアズジャパン(IoSJ)の協力のもと、数々のフィールド実験から知見を収集しています。

(2019.6.24 更新)